no man's land, 西原理恵子

面白かった。しかし、ロケである必然性はない、シナリオは秀逸で戦争映画なのに爆撃シーンも必要ないわけで、スタジオか舞台でも十分表現できる作品だ。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=237220
フランス/イタリア/ベルギー/イギリス/スロヴェニアの合作映画ということになっている。安部がダメとかいいながらきっと自民が勝つ今回の選挙後に、もしかしたら派兵や防衛省改革が行われて戦争を正当化する論調が強みを増すかもしれない。もうその流れは変わらないと思うが、戦争に正義はなくルールもない、救いもない、ジャーナリズムが演出するエンターテイメントだけが放送される。調停を行っても、当事者たちはこちらの意図とは関係なく互いに傷つけ合い、死んでいくのだということを理解して進まねばならない。過去の戦争体験者の悲劇や勇壮感を検証することも重要だが、我々当事者が今後、罪悪感や義務感から開放されるために、どれだけ無駄なエネルギーを割き、癒えない傷を作っていくのかは肌身を持って感じる必要がある。日本にいて、仕事をしながらキャッチできる戦争の現実は、こんな映画からだけなのかもしれない。

サイバラファンとして最近、鴨志田くんの本が書店で結構見かけるようになり、精神病も大分よくなってサイバラにも見捨てられなくなったのかーと単純に思っていたら、3月に亡くなっていたとは。腎臓癌、劇的な人生、唯一無二は言い過ぎだが、すばらしいカップルであった、アジアパー伝のコラボなど2人の圧倒的なエネルギーがあふれていて良かった。ご冥福を。