5月末に販売延期らしい。
当直室で「ザ・シェフ」をひさしぶりに見た。
下手だ
僕が書いた方がうまいんじゃないかというほど絵が下手。サイバラにつるし上げられそうな画力である。
漫画家は必ずしも絵がうまくなくてもよい。写実的な絵のウマさを競うなら、画家やイラストレータや建築家になればよい。小説家と同じく、漫画家は巧みなストーリーテラーであるべきだが、その上で、ストーリーを伝える記号としての絵を描けねばならない。バナナをバナナとして描けなければ混沌が襲ってくる。
しかし、あまりに記号化された絵は、陳腐な定型表現に堕する。
商業漫画家は、全くそれらしい絵か、全くそれらしくない絵を描けなくてはいけない。リーダーの心をつかむ、インパクトのある絵、突っ込み甲斐のある絵がいいのだ。
つっこみは「すごくうまい!」でも、「全然ヘタ」でもよかったりする。
サイバラやしりあがりは、漫画家として絵がとてもうまい。竹熊氏は動きを静止画で表現できることが画質の巧拙につながるといった。映画監督のカット割りの技術がいるのだ。写実的な描写は大友や鳥山に及ばないが、動きの表現の技術が、確信犯のヘタウマの後ろにあるとおもう。本人たちはヘタを飯の種にしているから、うまいねといわれると困るのでしょうが。
そこで、ザ・シェフ。加藤某が作画。
動きの書き方はとてつもなく下手というわけではないが、静止画のヘタさ加減は素人が目を覆うばかり。
函館の中堅女シェフの再教育のため、地元食材の見直しに、割烹でイカ刺しを食べたときに事件がおこった。
皿に盛ってあるのは、、、枯れ枝?斜線とかで影をつけてもダメだー、こんなものはイカの足でもなんでもない、資料写真を見せてみろ―、幼稚園児の方がましだー、これまで目をつぶって読み進んできたが、こんな絵で出版させるなー。思わず本を閉じた。
こんな画力でプロの漫画家を自負し、金を稼いでいるのがくやしい。漫画家としてはブラックジャックのパクリで進んでいく姿勢も、そもそもいい感じがあったのだが、このイカにはやられた。同じくグルメ漫画の花咲某も、もう、目を覆いたくなる動きの下手の漫画家だが、小澤のような権力者雁屋某のおかげで生活を担保されている。おそらく、料理の絵をうまく書ける作画担当を指定したのだろう。グルメ漫画ならそういう選択もあるかもしれん、つまらんが。
しかし、ザ・シェフ、こんな枯れ枝を食って、「うまい」とか地元食材の素晴らしさを再確認して、自分の店でもとりいれよう!って、なるか!!
下手でもよい、人の糊代を批判することははしたないことだ。しかーし、ザ・シェフ、突っ込みどころが満載ではある、自分の親戚なら全力で転職をすすめる。
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