不安と、克服するための確信を生む構造

これもみるべし。目頭があつくなるぜ!
http://prayforjapan.jp/message/


極限状態というものが人生で何度あるかしらない。
祖父は人生で3度は自殺を考える時があったといった。我が人生で1回くらいはあったような気もするが、40になり今後は大したexcitementもないと思っていた。

東日本大震災で極限状態にさらされる被災地の方々が大勢おられる。
克服するのは他者からの援助もあるが、自身の精神構造の問題が大きいと考える。
安全な地域にいる人間が、被災者にできるレベルでの助け舟をだすのは当たり前だが、阪神大震災を思い返すと、震災の急性期が済めば、慢性期はそこに住む方々の強い復旧にかける心根が大切だ。気持ちが折れないように、状況を整えていくのは、我々の日々の仕事にも通じる人の生き方の問題だと思う。

福島第一原発1号機で圧力容器のベントを徒手で開けに行ってくれた人、被災地で殉職する警察、救急、自衛隊の方々、その極限状態で悔いのない決断をされたと祈りたい。

比較にはならぬが、極限状態で自身を信じられ、他者に手を差し伸べられるかどうかは、日々の自分の鍛錬を思い起こすことぐらいしかないと思う。生まれ持った才能ではない、知識、体力の日々の小さな積み重ねが、極限状態での決断をささえる根拠になると思う。宗教は嫌いだが、自身が確信をもち、その上で他者を救うのが原則で、周りを正常な方向へ是正する力を持つとおもう。

原発の話をまとめる。
私の直感は今日の夕方、2号機の格納容器を温存できたことで峠を超えたと考える。識者の評価を待ちたい。

家族へのメールの転載;
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兄貴のリンクを読んで、原発が最悪の状態を回避したのは地震直後、制御棒がウラン核分裂を自動停止できたことにつきる、と。

想定した最悪の地震エネルギー(マグニチュード8.2)の16倍に相当するマグニチュード9を被災しても、自動停止が確実に行われ、第4の砦まで物理的な破綻を来さなかった、しかもその原発は40年前に作られたものだったというところに希望をみます。

私の日中の判断はすこしpessimisticであったかと反省しています。

遅くなりましたが、父の質問に対して。

水素はどこから発生するかというと、炉心の燃料棒のジルコニウム合金が高温で水と反応したときだそうです。炉心の冷却水の水位がさがって崩壊熱(ウラン核分裂は止まっても、中間産物が一定期間崩壊熱を出しながら放射能を失っていく)が冷やされない場合、水素が生じます。
この状況は原子炉の設計段階で想定されており、圧力容器が破綻しないように圧をにがす細工が施されています。それが、11個の圧力弁。
圧力容器は上方は放射能が低く、炉心、下方は高い状況にあるみたいです。よって、上方から(低い)放射能をもった蒸気が排気された(おそらくフィルタを通し原子量の大きな放射性物質はカットされ、気体のみが通過すると思われる[政信私見])。これが12日、13日の状態でした。

したがって、父の質問に対する答えは、「格納容器が破綻せず、健全な状態をキープしていても、その内側の圧力容器の機能をキープするため、排気が行われた。格納容器は壊れていない。」

と、いうことになります。

排気中には放射能をもった気体がふくまれるが、その半減期は極めて短く大気中に拡散しても現実的には健康被害を生むレベルではないようです。放射線量はそれが毎時なのかどうかもチェックが必要ですが、mSV単位を1時間程度浴びるのは地球上でままあることです。

それでも、放射能アレルギーのある我が国の国民感情を考慮して大気に放出されないように、格納容器と建屋の間に放出し、放射能がなくなってから大気中に放出するプランを立てた。しかしそれが、水素爆発を誘発する結果となった。

それでもなお、その内側の格納容器には異常が認められず、内部への注水作業は正常化に向かっていると考えていいようです。

システムと環境、状況の相同性から、”冷却システムの異常に始まり水素爆発に終わる”までは、第一原発の6器の原子炉は同じ運命をたどり廃炉が決定でしょう。しかしそのすべての原子炉で、制御棒によるウラン核分裂が早期に停止できていることが何にもましてすばらしいこと。

震災後、津波により海水の注水、排水機能が故障し、ディーゼル発電機もすべて流された(つぶれた?)そうです。

それでもこの堅牢性。東電の表現能力がない技術者が、テレビ画面で不安感をあおるのですが、それは彼らの本来の仕事ではない。想定以上の状況になっても、システムの重要性に照らして国民を最悪の事態から回避させている、彼らの技術を称えるべきだとおもいます。

6号機までの水素爆発はしょうがないかもしれません、それより余震で格納容器内の破綻が生じないかが今後の心配。

余震の可能性も実は峠を超えたのではないかと思っている楽観主義の自分がおります。
ただ、サイエンスメディアセンターの19時の記述でも2号機の話が出てこないのはちょっと気にかかりますが。。。

政信

参考;この3つがキラー資料でしょう。(すべて兄貴の受け売り。乙。)
http://bravenewclimate.files.wordpress.com/2011/03/fukushim_explained_japanese_translationv2.pdf
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i3
http://smc-japan.sakura.ne.jp/

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抜粋終わり。

4号機以降は使用済み燃料棒が建屋の上部に保存されている問題が、水素爆発の影響をどれほど受けるのか。。。

いつまで崩壊熱が続くのか。。。