やれやれ、まったく進まない。

あせるばかりで前に進まない。相談する相手を作らないからか。
「小児上気道感染症における鼻咽腔(上咽頭)細菌叢の群集解析の方法と意義」
とでもするか。

鼻咽腔の病原細菌は、中耳炎、副鼻腔炎の起炎菌として同定される。

 起炎菌の定義;病変部位に存在が証明される微生物
 しかし、膿汁中から細菌が培養されることは少ない。ウイルス培養が難しいことから、病変部位以外の場所の検体から起炎微生物を推定することが行われる。上気道の場合それが鼻咽腔。

 中耳貯留液から菌培養やウイルス分離が行われれば、それは中耳炎の起炎微生物と確定するが、それぞれの結果が出なかった場合、代替案としてPCRが行われる。貯留液中から細菌、ウイルスのDNAが検出されたからといって、それが起炎微生物だとは必ずしも言えない。死菌や常在菌を見ている可能性が否定できないからだ。起炎微生物であるといいきれる一つの指標はその生体量である。常在菌叢にくらべてあきらかな菌量が多い細菌は病原菌と言える。同じことはDNA量にも当てはまる。real-timePCRでDNA量が多い場合起炎微生物、細菌やウイルスといえるのではないだろうか?
 病原体が増加した場合、血清学的に抗体価の上昇があれば感染を証明できるとされる。感染部位は特定できないが。画像や臨床所見で局所に炎症を証明でき、抗体価上昇があればその起炎微生物といえるだろう。しかし、幼少時の場合、たとえ菌血症として血液培養に菌体が証明されても、抗体価が上昇しない(一時的上昇のみ)場合があるとも言われる。免疫能が成熟していない患者の場合、抗体価は感染の証明となりえない場合が多く、また、ワクチン接種の影響も除外しにくい。

新たな起炎微生物の存在証明として、常在細菌叢の変化を指摘することはできないだろうか?局所感染が生じた場合、また、環境変化が生じた場合、細菌叢の、構成メンバーの変化、構成菌量の変化が続発する。細菌叢の変化を16SrRNAの分布で示せば、細菌の局所病原性を示せないだろうか?
 →肺炎球菌やインフルエンザ菌などの単独菌種のDNA量が多ければ、病原性が示せる。。菌叢解析をする必要がないか。。。

菌叢を評価するとき、多菌種間の相互作用に注目が集まっている。
 →ワイザーの肺炎球菌、インフルエンザ菌の相互作用の話。
単独感染より複合感染法が難治化、遷延化する可能性がある。