安心と安全

あんまり心理とか勉強しないから苦手だ。

リスク心理学が読み解く
「一般市民のリスク感覚」

人々は何に不安を感じるのか。
研究者の理論とは異なる大衆心理の実態を探る

帝塚山大学心理福祉学部 教授
中谷内 一也 氏

http://www.pvc.or.jp/news/63-2.html




1. M627160007<Pre 医中誌>
東日本大震災被災地における子どもの心のケア 気仙沼地域での北海道子どもの心のケアチームの活動
Author:笹川嘉久(札幌市立札幌病院附属静療院), 河合健彦, 黒川新二, 米島広明, 新屋美芳, 上田敏彦, 才野均, 館農勝, 中野育子, 氏家武, 田中康雄, 杉山紗詠子
Source:児童青年精神医学とその近接領域(0289-0968)53巻2号 Page146-155(2012.04)
論文種類:解説
Abstract:筆者らは、2011年3月11日に起きた東日本大震災被災地で、児童精神科医療チームとして、子どもの心のケア活動を行った。活動地域は気仙沼市および南三陸町であり、活動期間は2011年3月26日から9月2日までだった。活動内容は被災児童の診察、避難所や教育機関の訪問、講演会・相談会活動などであった。活動実績は相談受理110人のべ188回、避難所訪問41ヶ所のべ94回、保育所・幼稚園・小中学校訪問43ヶ所のべ66回、講演会活動8回であった。診察した児童の精神症状は、不安・恐怖・回避45件、イライラ・多動・乱暴44件、睡眠障害34件、分離不安・退行26件・身体症状が13件であった。診察した児童のうち、広汎性発達障害と既に診断されている児童、および、広汎性発達障害が強く疑われる児童は、合計37名であり、診察した児童の34%を占めた。被災地で強く印象に残ったのは、現地の児童相談所職員、教員、保育士、保健師たちの身を削って働く姿であり、同時に、疲弊、消耗の著しさであった。著者らのような外部からの医療支援チームの課題のひとつは、現地の職員たちへの負担を最小化することである。(著者抄録)

2. M627160002<Pre 医中誌>
【子どもと災害】 阪神淡路大震災の経験から 災害後の児童精神保健
Author:井出浩(関西学院大学 人間福祉学部)
Source:児童青年精神医学とその近接領域(0289-0968)53巻2号 Page100-109(2012.04)
論文種類:解説/特集
Abstract:阪神淡路大震災での体験を振り返り、災害後の児童精神保健について考察を加えた。被災地での精神保健活動ではアウトリーチの重要性が語られる。外部からの支援も、アウトリーチによる被災現場での被災者への直接援助の形をとるが、児童精神保健が長期的によりよく機能するためには、被災地にあって継続的に児童精神保健にかかわる機関への直接支援のあり方も検討されるべきである。児童にかかわる大人、特に養育者の精神保健を念頭に置いてかかわる必要があるが、児童精神保健の立場からは、養育者を支援共同体と見がちである。阪神淡路大震災では、養育者自身への積極的な精神保健支援の活動は十分とは言えなかった。今後、養育者を対象とする精神保健支援が課題となろう。長期的には、災害のストレスに対する反応も形を変え、非特異的な反応が多く見られるようになる。長期的には、災害そのものの恐怖や急激な環境変化からくるストレスへの対応から、日々の生活からのストレスへの対応に視点を移る必要がある。被災のみに焦点を当てず、日常の精神保健活動を充実させることが求められる。児童においては、長期的にフォローできる場は、学校であり、日々の学校精神保健の充実が、被災児童の長期的な精神保健的支援として必要となる。(著者抄録)

1. 2012171227
阪神・淡路大震災の遺族における心身の健康状態に関する継続調査
Author:宮井宏之(兵庫県こころのケアセンター), 内海千種, 大和田攝子, 加藤寛
Source:心的トラウマ研究(1880-2109)7号 Page15-23(2011.11)
論文種類:原著論文/比較研究
シソーラス用語:*家族; *死別; ストレス障害-心的外傷後(診断); 生活の質; 葬儀; *悲嘆; 縦断研究; *健康状態; 結果再現性; 抑うつ(診断); 地震
医中誌フリーキーワード:Medical Outcome Study 36-Item Short-Form Health Survey; 自己評価式抑うつ尺度; 淡路島; 阪神
チェックタグ:ヒト; 成人(19~44); 中年(45~64); 高齢者(65~79); 高齢者(80~); 男; 女
Abstract:我々は、阪神・淡路大震災により家族を喪った遺族を対象に、心身への影響を明らかにするとともに、複雑性悲嘆尺度の妥当性・信頼性の検討を行うことを目的に調査を実施している。今回は、2年目調査の結果を報告する。結果:47名の遺族から協力を得た。1年目調査と同様におよそ半数に心理的影響を認め、心理的影響の強い者ではよりQOLが低下している傾向が示され、長期的視点を持った遺族ケアの重要性が示された。1年目調査との比較では、うつ症状を除きいくつかの症状において改善を認めた。また、いまだ遺品の整理ができない者は強い悲嘆を抱えている可能性が示唆された。(著者抄録)

2. 2011104169
阪神・淡路大震災15年後における遺族の精神健康について
Author:宮井宏之(兵庫県こころのケアセンター), 内海千種, 大和田攝子, 加藤寛
Source:心的トラウマ研究(1880-2109)6号 Page53-62(2010.11)
論文種類:原著論文
シソーラス用語:家族; *死別; ストレス障害-心的外傷後(診断); 生活の質; *精神保健; 悲嘆; 結果再現性; 地震; 評価基準; *災害医学
医中誌フリーキーワード:Medical Outcome Study 36-Item Short-Form Health Survey; 自己評価式抑うつ尺度; 淡路島; 阪神
チェックタグ:ヒト; 青年期(13~18); 成人(19~44); 中年(45~64); 高齢者(65~79); 高齢者(80~); 男; 女
Abstract:阪神・淡路大震災により家族を喪った遺族に対して、(1)心身の健康状態を中心に遺族の臨床的特徴を把握することと、(2)悲嘆を測定する尺度の妥当性・信頼性の検討、の2点を目的に調査を実施した。その結果106名の協力者のうち、およそ半数に心理的影響を認めた。さらに悲嘆反応とPTSD症状、うつ症状には互いに相関を認めた。また心理的影響が大きいほど、生活の質(QOL)が低下している傾向が示された。災害発生から15年の年月が経過してもなお、遺族の半数において心身の影響があることが示唆された。これらより、遺族ケアは長期的視点を持ってなされる必要性があると考えた。(著者抄録)

3. 2011104166
大規模交通災害がもたらした心身への影響の推移 負傷者を対象とした3年間の面接調査より
Author:内海千種(徳島大学 大学院SAS研究部), 宮井宏之, 加藤寛
Source:心的トラウマ研究(1880-2109)6号 Page21-32(2010.11)
論文種類:原著論文/比較研究
シソーラス用語:事故; ストレス障害-心的外傷後(合併症,診断); 生活の質; *精神保健; 鉄道; インタビュー; 抑うつ(病因,診断); *災害医学
医中誌フリーキーワード:Medical Outcome Study 36-Item Short-Form Health Survey; 自己評価式抑うつ尺度
チェックタグ:ヒト; 成人(19~44); 中年(45~64); 高齢者(65~79); 男; 女
Abstract:交通災害における負傷者の心身への影響を検討するため、JR福知山線脱線事故負傷者を対象に、3年計画の面接調査を行った。本稿では、主に3年間PTSD症状が強く残っていた協力者(PTSD群)の精神健康の推移を報告した。侵入症状、過覚醒症状については、経過年数による症状の緩和が認められた。しかし、回避・麻痺症状については、経過年数による有意な緩和は認められなかった。同様に、うつ症状、痛み、生活の質についても経過年数による改善が認められなかった。協力者からは、症状だけでなく、体験自体を語る機会が減少しているとの声があった。医療機関での治療だけでなく、体験を語る場の提供といったことも、中・長期的支援には必要になるだろう。(著者抄録)

1. 2002225086
地下鉄サリン事件の被害者における精神症状 長期経過における検討
Author:清水綾子(日本女子大学 人間社会研究 心理), 大渓俊幸, 石松伸一, 岩波明, 古川俊一, 丸田伯子
Source:臨床精神医学(0300-032X)31巻5号 Page549-561(2002.05)
論文種類:原著論文
シソーラス用語:Sarin(毒性・副作用); 質問紙法; 事故; ストレス障害-心的外傷後; インタビュー
医中誌フリーキーワード:毒ガス
チェックタグ:ヒト
Abstract:地下鉄サリン事件の被害者のうち,後遺症の検査依頼に応じた37名を対象に,身体的・精神的症状に関する質問紙,直接面接,記憶検査を行った.その結果,事件後5年経過した時点でも「出来事の侵入的想起」「事件に関するものに対する心理的苦痛・恐怖感」「過度の警戒心」といった精神的症状が残存し,更に気分変調や身体症状の遅延的発生もみられることが明らかとなった.直接面接では11名が外傷後ストレス障害(PTSD)の既往ありと診断され,うち6名は他の精神疾患の合併がみられた.又,PTSD診断群は非PTSD群と比べ,精神的症状および視覚的記憶機能の低下がより深刻であった.PTSD症状に関する質問紙IES-Rと直接面接で得られたPTSD重症度は有意な相関を示し,IES-RのPTSDスクリーニング尺度としての可能性が示唆された