DNA鑑定とアレル

津でホルモンの油が大腸を急襲するなか、ひっかかったので。

最高裁の鑑定理由が知りたくなった、お下劣な事件。きっと新聞社の適当な記載だろうと直感して。

男の体液DNA型不一致「突然変異」…逆転有罪 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

そもそも人の同一性の証明は、15座の染色体アレルを使っていたことをしらなかった。きっと法医学で習ったんだろうが意識して生きてこなかった。

千葉大では、以下の記載:

「DNAの塩基配列そのものではなく、4塩基を1単位とする繰り返し数をもつ部位(DNA多型領域)を検査」

「DNA鑑定というよりDNA型鑑定と」

「同じ塩基配列が繰り返して存在する反復配列領域があります。この反復配列の繰り返し数が人によって異なることを利用して行うという方法が、世界的に共通した方法です。現在、世界の多くで使用されているのは、マイクロサテライトという反復配列領域です。このDNA多型は、STR(Short Tandem Repeat)多型といわれるもので、繰り返し単位が2~5塩基と短く、この繰り返し単位が個人によって異なることを利用して個人識別を行います。」

DNA型鑑定 | 千葉大学附属法医学教育研究センター Education and Research Center of Legal Medicine

STRは、2-5bpと短い。

「一つの遺伝子座に同一の対立遺伝子がある場合をホモ接合、一つの遺伝子座に異なる対立遺伝子がある場合をヘテロ接合」このあたりがいつも頭から抜けてることがある。

http://www.zo.utexas.edu/faculty/sjasper/images/14.3.gif

このシェーマがしっくりくる。これはヘテロね。

https://www.researchgate.net/publication/47645547/figure/fig1/AS:293951803281427@1447094979775/Short-tandem-repeats-STR-informative-peaks-from-the-recipient-blood-b-STR.png

Figure 2: Short tandem repeats (STR) informative peaks from the recipient (blood). (b) STR informative peaks from the donor (blood). (c) STR informative peaks observed in first skin biopsy performed at day 50 after skin allograft showing 69% of mixed chimerism. (d) STR informative peaks observed in second skin biopsy performed at day 50 after skin allograft showing 47% of mixed chimerism. Chimerism was determined by STR based on fluorescent analysis of repetitive sequences. Peak areas gave us the percentage of recipient cells for each sample. Mixed chimerism was defined by the presence of at least 5% of recipient cells.

だそうな。やはりシェーマがわかりやすい。skin allograftってのは植皮。

https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-21590746/21590746seika.pdf

こんなのを見るとSTRの信頼性は低いようだが、費用対効果や前例主義あたりが絡んでいるのだろう。数千もしらべていたらコスパにあわない。

DNA鑑定の指針 – 日本DNA多型学会

常染色体上の多数のローカスを検査する際には、国内外において広く検討され、法医学的応用に際しての有用性が認められていて、日本人集団におけるアリルの出現頻度データが蓄積されており、多くの機関で追試可能なローカス(例としてCODISの13 STRローカス)を選択し、総合して充分な識別力が得られる必要がある。常染色体STRについては市販のキットが広く用いられているが、他のマイクロサテライト(STR)、ミニサテライト、塩基の違いによるローカスも、日本人において充分な検体数で一般集団頻度が調査されているものは、その研究の進展度合いに応じて同時に利用することが可能である。

www.fbi.gov

CODISはFBIらしい。制限酵素で躓いたことを思い出した。

そして元記事にもどると、最高裁はお下劣な事件を真面目に調べている。有罪。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/734/087734_hanrei.pdf

f:id:bob-oka:20180512114538p:plain

高裁では、無罪。

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/802/086802_hanrei.pdf

f:id:bob-oka:20180512114940p:plain

アリエールではない、アレルじゃないのかなあ。15座のSTRでは、精子のDNAに15が欠損したアレルが存在したいわば、キメラ状態であったということでいいのでしょう。

 

以上。

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