左右軸の形成

昆虫のモザイクをほ~と見てたら、流れてきた。

マウスの左右軸の形成においてノードにある繊毛は流れのセンサーとしてはたらく
http://first.lifesciencedb.jp/archives/5827

阪大の研究

「マウスの左右軸の形成においては,ノードにおける繊毛の回転運動による左向きの流れ(ノード流)により左右の決まることが知られている.ノードの細胞がどのようにノード流を感知しているのかについては,これまでいくつかのモデルが報告されているが明確な答えは得られていない.Ca2+チャネルPkd2の変異マウスは左右の異常を示し,このタンパク質がノード流のセンサーとしてはたらくことが示唆されていた.この研究において,筆者らは,Pkd2はノードの周縁部にある細胞の繊毛においてはたらいていることを強く示唆する結果を得た.まず,Pkd2がノードの周縁部の細胞においてのみ発現するトランスジェニックマウスを作製し,このトランスジェニックマウスではPkd2をノックアウトした胚の左右の異常がレスキューされることを示した.一方で,Ca2+チャネルとしての活性は維持しているがノードの繊毛に局在できなくなった変異Pkd2をもつトランスジェニック胚は左右の異常は回復できなかった.また,ノードの周縁部の細胞だけに繊毛を形成するトランスジェニック胚でも左右は正しく決定された.これらの結果より,ノード流は繊毛に局在するPkd2により受容されることが示唆された.この研究により,ノード流の感知の分子機構につき,これまでの仮説の段階から一歩進み実際に機能しているタンパク質が明らかになり,左右軸の形成の理解がよりいっそう深まった.」

ノード流!波紋か?
右から左へ受け流すか?


「ノードに蛍光マイクロビーズを投入しノード流の向きと流れの速さを調べたところ,Pkd2ノックアウト胚においても野生型の胚と同様の左向きの流れがみられた.」

マイクロビーズがウキみたいに流れるのが顕微鏡で見えるのかな。

「左右非対称な活性を示す転写エンハンサーANE(asymmetric node enhancer)を用いた8).このエンハンサーはヒトのlefty1遺伝子の制御配列に由来し,マウスはこれと相同な配列をもたないが導入するとクラウン細胞においてその左側で強い活性を示す.」

レフティー遺伝子!フィル・ミケルソンか!左翼養成遺伝子ではないはず。しかし、左側で強い活性っていう文章がおかしい。

解説;
動物のからだが左右非対称になるしくみ
http://www.chart.co.jp/subject/rika/scnet/34/sc34-3.pdf

「前後と背腹が決まると,左右は自動的に決まる。前後軸と背腹軸の場合と異なり,からだの左
側と右側に自然選択での優劣をつけるのは困難であろう。」

「カレイとヒラメの眼の位置は左右逆であるが,これらの種の内臓に見られる左右差は共通である。つまり,カレイとヒラメを含んだグループでは,眼と内臓の左右性は,別々に決まっていることになる。」

左右差にも重要性に違いがある

「内臓器官などに見られるからだ全体の構造の左右差は,1 次左右性と呼ばれる。1 次左右性は,進化的に安定に保存される傾向」

「2 次左右性は,独立の進化によって比較的頻繁に獲得されることが明らか」

「左右差が存在するが,左右極性がランダムである場合(左右反対称)」
「左側と右側のどちらに付随するかまで含めて遺伝的に決まっている場合である(指向的左右非対称)」

「マウス胚の腹側の中央部には,ノード(結節)と呼ばれる小さなくぼみがある。ノードの細胞のそれぞれには,表面から見て時計回りに回転する繊毛が 1本ずつはえている。この繊毛の回転によって,ノードの近くの液体(胚体の外液)に左方向の流れ(ノード流)ができる(図 2)。」

細胞には繊毛が結構あるらしい。

「繊毛運動が起こる微小環境では,液体の粘性が大きな意味をもつ。ノードの繊毛は尾の方向に傾いているので,繊毛が回転運動する際,胚の左方向に繊毛が動くときには細胞表面から離れた位置を,右方向に動くときには細胞膜の近くを通過する。細胞膜は,「壁」とみなすことができ,壁に接している液体は動きにくい。繊毛が細胞膜近くを通過する右向きの運動のときには,動きにくい液体を引きずることになるので,繊毛が右方向への流れを作り出す効率が低下する。その結果,全体としては左方向への流れが勝ることになり,ノード流が生じる。」

壁の近くは液体が動かず、遊離した側で左向きの流れができるのか。
左右の極性はわかるが、繊毛が右回転なのはなぜ決まっているのか?という鶏と卵的なこともあるな。


2つの仮設があった。
「ノード流は,ノードの左側の細胞にはたらきかけ,細胞内で連鎖的な酵素反応など(下流シグナルと呼ばれる)を引き起こす。

(1)何らかのシグナル分子(細胞間で情報を伝達する分子)や,細胞外に放出されたシグナル分子を含む小胞がノード流によって流されて左側で蓄積し,そこで下流シグナルを活性化する(図 2)。
(2)繊毛には,ノード流を発生させる繊毛と,ノード流を感知する繊毛が存在する。後者の繊毛は,ノードの左側でノード流による物理的な刺激を受け,カルシウムイオン濃度の増加を介して下流シグナルが活性化される。」

で、今回は(2)の仮説が支持されたってことかな?

左右の決定とモザイクの発生は関係ないか?

そもそもモザイクがなぜ発生するのか?
同一杯から生じたモノクローンのはずが、ある時から右は雄性、左は雌性となる。生殖器のみではなく、オスらしさ、メスらしさを持った体に分化する。モザイクの細胞はすべてモノクローンなのか?モノクローンなら遺伝情報の発現のコントロールミスなのか?幼虫のときからモザイクなのか、完全変態の蛹化の際の発現ミスなのか?

蛹化のプロセスでマウス胚のノードのようなものがあったり、ノード流で1次左右性を演出して内臓の左右差は狂いがなく生存条件をクリアしているのに、2次左右性の発現のようなミスが出現する。そういえば角が小さな成体も生存には直接のdisadvantageにならない。

iPS細胞でスポットを浴びる万能性や全能性だが、時計の針を戻す行為は蛹化のプロセスにも見て取れる。雌雄は幼虫時代は未定で蛹化の際に決定されるとすれば、ドラマティックに系統発生が進むなかで、発現の統一性が狂うのか。

モザイク解析という手法がある。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4271343.html

「雌雄モザイク。XXの遺伝的雌で、一方のX染色体を初期の受精卵で失われやすい特殊なものにしておくと、X0(雄型に分化する)のパッチを作ることが出来ます。例えば性特異的な行動が雌雄のパッチの分布の違いでどう変わるかを調べて、関係する座位を推定したり出来ます。また、XXがヘテロ接合、X0がヘミ接合ですから、X0のXに調べたい突然変異を乗せておけば、野生型のパッチと突然変異型のパッチを作ることができます。」

XOはオスだ。この手の不安定が誘発されて左右で雌雄がことなるモザイクが生まれるのはわかる。雄性の部分は性染色体が一本欠損している状態で、モノクローンとは言いがたい。欠損してない部分は遺伝子配列は同じだが。

蛹とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9B%B9#.E8.9B.B9.E5.8C.96.E3.81.AE.E6.A9.9F.E6.A7.8B

「蛹になった段階で、外部形態的には成虫の姿を折りたたんだような姿が形成されるが、内部の構造の大部分は蛹の期間中に新たに形成される。蛹は時間が経つにつれ、次第に着色するが、これは内部に成虫の体ができて、その体表の模様が透けて見えるものである。」

「。その内部では一部の神経、呼吸器系以外の組織はドロドロに溶解している。蛹が震動などのショックで容易に死亡するのは、このためである。」

ど、ドロドロ?

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